齊藤飛鳥さんについて
齊藤飛鳥さんの自己紹介
「おコン絵巻」シリーズを書いている齊藤飛鳥さんに、自己紹介を書いていただきました。
【自己紹介】
神奈川県生まれ。児童文学作家。奈良時代から江戸時代までの日本史と古典をこよなく愛しすぎて、Mixiで三年以上毎日日本史と古典をテーマにした日記を書いているほど。
「合武三島流船戦要術」や「窓の教え」など、マイナーな歴史資料や古典も大好物。日記文学「うたたね」を読んだときは、作者の身勝手な行動にマジギレして、時空とページを超えてグーパンチが届けと思った。
「みなさん、ご一緒に楽しみましょう」の精神で、読者の予想は裏切っても、期待は裏切らない物語を書こうと、日々精進中。
一つの分野にとどまらず、ファンタジーやSF、自分が好きな推理小説など、さまざまな分野の物語を書いてみようと意欲的。
意欲の一歩として、テレビゲームをまったくやったこともないゲームオンチのくせに、テーブルトークロールプレイングゲーム『ラビット・ホール・ドロップス』の、日本初・児童文学作家たちによるゲームに参加。
同人誌『児童文学TRPG創刊号』(2013年5月発売。現在完売)に、リプレイ物語という形で「裏山のリンゴ」を書き下ろした。
【著作】(自著紹介)
★『おコン草子』童心社 2010
日本昔話の世界を舞台にした和風ファンタジー。
『おコン絵巻』シリーズ(翠琥出版)の、エピソード0にあたる。
日本昔話の「なら梨とり」がベースになっている。
ケモノ耳ならぬケモノひげのはえた、キツネの血を引く少女おコンのひと夏の冒険。筆者の趣味が俳句なので、各章のタイトルが俳句調になっている。
初版と二刷とでは、たった一ヶ所だけ訂正された部分があるので、興味ある方はお探しあれ。
★『おコン絵巻 お澄ヶ淵の大蛇』翠琥出版 2013(電子書籍)2014(オンデマンド版)
日本昔話の世界を舞台にした和風ファンタジー。
「まつらさよひめ」等の人柱伝説の昔話がベースになっている。
人とキツネの間に生まれ、両親に置き去りにされて野良犬の餌になる一歩手前で拾われ、かろうじて生きのびた少女おコン。
十二歳にまで成長した彼女はある日、けもののようなひげがほほにはえた異形ゆえ、勝手に淵の大蛇の人柱に選ばれてしまう。
差別や数の暴力、権力の腐敗や自然破壊などのテーマも含んだ、重層的な問題作……
……と、重厚かつシリアスな物語ではなく、主人公が馬糞味と判明するなど、ツッコミどころ満載のコミカルファンタジー。
★『おコン絵巻 こうけつ城のひみつ』翠琥出版 2013(電子書籍)
日本昔話の世界を舞台にした和風ファンタジー。
日本昔話の「纐纈城」がベースになっている。
過酷な差別にさらされている、人とキツネの間に生まれたおコンが、謎の女性佐保姫に誘われて、この世の極楽と呼ばれるこうけつ城へ招待される。しかし、そこには思いがけない秘密が隠されていた。
前作から一転、差別問題に正面から取り組んだ、感動の超大作……
……ではなく、理想郷に来ても支払いを気にする貧乏性な主人公に野菜を素手で握りつぶした黒いみそ汁とくちばしの入った緑のおかゆを作る仲間が、思い思いに理想郷で暴れまわる、あいかわらずツッコミどころ満載のコミカルファンタジー。
★『おコン絵巻 ココメ山の決闘』翠琥出版 2014 (電子書籍)
日本昔話の世界を舞台にした和風ファンタジー。
『一寸法師』等の昔話がベースになっている。
人とキツネの間に生まれて差別されているおコンだが、友達ができたおかげで、それなりに楽しく暮らしていた。
しかし、ある日、カラス天狗の群れがおコンが暮らす朝日長者さまの屋敷に襲来。おコンの数少ない友達である小綱をさらっていってしまった。
同じく、カラス天狗に家宝を盗まれた老女レツと共に、おコンはカラス天狗の住み家があるココメ山を目指して旅立つ。
読み終えた後、友情・愛・幸福とは何かと考えたくなる、感動の冒険活劇……
……と見せかけて、まさかの裏切り、まさかのラスボスと、二転三転大逆転、後方三回転ひねりと、どんでん返しに次ぐどんでん返しを繰り広げる、毎度おなじみツッコミどころ満載のコミカルファンタジー。
歴史まめ日記の紹介
「おコン絵巻」シリーズを書いている齊藤飛鳥さんには、ファンタジーを書く児童文学作家とは別の、もう一つの顔があります。
自己紹介でも書いていらっしゃいましたが、奈良時代から江戸時代までの日本史と古典をこよなく愛している、大の歴史好きなのです。
齊藤飛鳥さんはミクシィで三年以上毎日日本史と古典をテーマにした日記を書いていらっしゃるのですが、その内容は多岐にわたり、過去の日記を相手につっこみを入れたり、現在のサブカルチャーのルーツを見つけたりと、新しい感性に驚かされます。
そんな日記をまとめて電子書籍にしたのが、「歴史まめ日記」シリーズです。
現在、数冊が出版されています。
是非、お読みになってみて下さい。新しい発見や、ものの見かたに、びっくりすること請け合いです。
歴史ミステリの紹介
さらに、齊藤飛鳥さんは、2018年「屍実盛(かばねさねもり)」で第15回ミステリーズ!新人賞を受賞し、現在、羽生飛鳥のペンネームで歴史ミステリ作家として活躍しています。
羽生飛鳥さんの著書は、現在数冊出版されています。
その中に、『賊徒、暁に千里を奔る』という作品があります。
この作品は、翠琥出版から出版された『妖がささやく』の「妖と稚児」の主人公の小殿(六道丸)のもう一つの物語となっており、それぞれに趣があります。
この小殿についてですが、「資料を読んでいて小殿という盗賊が目に留まったのは、児童文学の創作教室で他の方が書いた童話に登場した、足を洗いたいスリのラッコと境遇が重なったから……」とのことです。
『妖がささやく』と『賊徒、暁に千里を奔る』の小殿を読み比べると更に面白さが増します。是非、ご一緒にお読み下さい。
齊藤飛鳥(羽生飛鳥)さんが同じ人物をモデルにした作品が載っている『妖がささやく』と『賊徒、暁に千里を奔る』
『賊徒、暁に千里を奔る』